国土強靱化は「景気」のためか?
ゲスト:経済学者 山﨑 雅人 さん
(名古屋大学減災連携研究センター地域社会減災計画(応用地質)寄附研究部門特任准教授)
日時:2021年 11月29日(月)18:00~19:30
企画・ファシリテータ: 隈本 邦彦 さん
(江戸川大学教授/名古屋大学減災連携研究センター客員教授)
Read More
ゲスト:経済学者 山﨑 雅人 さん
(名古屋大学減災連携研究センター地域社会減災計画(応用地質)寄附研究部門特任准教授)
日時:2021年 11月29日(月)18:00~19:30
企画・ファシリテータ: 隈本 邦彦 さん
(江戸川大学教授/名古屋大学減災連携研究センター客員教授)
Read More
講師:定池 祐季 さん
(東北大学災害科学国際研究所助教)
内容:北海道胆振東部地震から3年 厚真町の歩みを振り返る
日時:2021年11月24日(水)18:00〜19:30
講師:藤井 聡 さん
(京都大学大学院工学研究科教授)
内容:こうすれば絶対よくなる!日本経済 ~今求められるMMT、消費税凍結、そして防災~
日時:2021年10月25日(月)18:00〜19:30
✿ ようこそ、減災館バーチャルツアーへ ✿
減災館バーチャルツアーは、パソコンから、スマホから、Web上にて減災館を自由に見学いただけるオンラインコンテンツです。
自宅からでもどこからでも、自分のペースで、好きな時に好きなだけ、臨場感たっぷりに減災館内の展示物をお楽しみいただけます。初めての方も、久しぶりの方も、減災館バーチャルツアーを、ぜひご体験ください!
360°パノラマビューにてご覧いただけます(↓こちらからどうぞ)

● 減災館トップページへ戻る ●
ゲスト:地震学者 平井 敬 さん
(名古屋大学減災連携研究センター助教)
日時:2021年 10月13日(水)18:00~19:30
企画・ファシリテータ: 隈本 邦彦 さん
(江戸川大学教授/名古屋大学減災連携研究センター客員教授)

今回のカフェは、今年で発生からちょうど130年を迎える濃尾地震をテーマにしました。
ゲストの平井敬さんは、当センターが展開するプロジェクト「災とSeeing」の中のCBC中部日本放送とのコラボ企画⑤「濃尾地震編」に、説明役として登場されています。地震学者の立場から、改めて内陸型地震への備えを考えるということで、げんさいカフェに来ていただきました。
1891年、明治24年の10月28日に濃尾地震がおきました。マグニチュードは8.0と、記録に残る内陸の地震としては国内最大規模でした。
濃尾地震という名前は、いまの岐阜県にあたる美濃地方から、いまの愛知県にあたる尾張地方にかけて広い範囲で被害が出たことでついたのですが、死者7273人、全壊家屋が14万軒という大きな被害でした。130年前の日本の人口はいまの3分の1くらいでしたから、今でいうとその3倍、つまり2万人くらいの人が亡くなったようなインパクトが当時の社会にはあったと考えられます。美濃と尾張の国名にかけて「みのおわり(身の終わり)」地震という言葉が当時流行ったそうです。

平井さんはまず、地震には主に2つの種類があることを説明してくださいました。
東日本大震災のように、プレートの境界でおきる海溝型地震と、日本列島の地面の真下の活断層が起こす内陸型地震です。よく直下型地震という言葉が使われますが、これは正式な学術用語ではなくて、マスメディアが作った言葉です。どうしても大都市の直下で内陸型地震が起きると被害も大きくなるのでそう呼ぶのですが、心配されている首都直下地震も、内陸型地震として発生する可能性があると考えられています。
平井さんによると、内陸型地震は、海溝型地震より相対的に規模が小さいことが多いのですが、震源と被害を受ける人の住んでいる場所が近いので、マグニチュードの割には被害が大きくなりやすいということです。
濃尾地震を起こした活断層は、根尾谷断層とその北側の温見断層、南側の梅原断層の3つの断層が動いた長さ80キロにわたる断層です。

震源に近い岐阜県本巣市あたりでは、8メートルも上下にずれてまして、いまでもその断層を見ることができます。現場には地震断層観察館が建てられていて、地下でどのように断層がずれたのか見ることができるそうです。
内陸型地震は、震源と人の住んでいる場所が近いため、緊急地震速報が間に合わないことがあります。緊急地震速報は地震のP波を一番近い地震計で観測して、だいたいの震源とマグニチュードを数秒間で推定するという方法ですので、震源が近いとS波の揺れのほうが先に来てしまうということもあり得ます。
130年前の巨大地震に学んで、改めて内陸型地震への備えは何かということで、今回、平井さんから教えていただいたのは、この濃尾地震で被害が大きかった地域というのは、必ずしも震源からの距離が近いところだけではなかったということです。震源から少し遠いところでも、例えば、琵琶湖の沿岸とか大阪、いまの名古屋市の西側、あるいは浜名湖周辺などでも震度6以上のところがあったのだそうです。
これらの地域に共通しているのは、地盤の軟らかさ です。大きな川のそばに広がった広大な平野、こういうところに都市が発達しやすいわけですが、そういう場所がよく揺れて、被害が大きかったということです。
それに備えるため、自分の住んでいる地域がどれくらい揺れやすいか知っておきましょう。平井さんによると、地元の市町村のハザードマップで揺れやすさを調べるか、もしパソコンにお詳しい方は、防災科学技術研究所のwebサイトの「地震ハザードステーション」というところを見ると、どれくらい揺れやすい地盤なのかすぐわかるということです。
そしてなんと言っても家の耐震性を確認することが大事です。特に昭和56年(1981年)以前の旧耐震基準で建てられている木造住宅は、耐震診断をして、耐震補強や建て替えをして揺れに備えることが大切です。
今回も全国から150人余りの方にご参加いただきました。活発な質疑応答もできました。平井さん、参加者のみなさん、ありがとうございました。

(専任教員・特任教員・寄附研究部門教員が研究代表者として受けたものに限る)
Read More
(専任教員・特任教員・寄附研究部門教員が研究代表者として受けたものに限る)
Read More
私どものプロジェクト『災害を今に伝える場所を巡るオンラインツアー「災(さい)とSeeing」』をご支援いただき誠にありがとうございます。
たいへん長らくお待たせしましたが、このたび「災とSeeing」の専用ホームページを作成し、公開を開始致しましたのでお知らせいたします。
専用ホームページ内には、先にご報告(過去の記事についてはこちらをご覧ください)させていただいております、過去の災害にまつわる石碑や史跡をツアー形式で疑似体験できる動画コンテンツ「災とSeeing Tour(ツアー)」に加え、新たに作成しました災害を今に伝える東海地域の各スポットを紹介するマップ映像コンテンツ「災とSeeing Map(マップ)」の2つのwebコンテンツから構成されています。
◆専用ホームページの閲覧は、下記のURLをクリックしてください。
https://www.saitoseeing2020.jp/
【コンテンツ内容】
1.災とSeeing Tour(ツアー) :過去の災害にまつわる石碑や史跡を巡るオンラインツアー(全4コース)
2.災とSeeing Map(マップ) :災害を今に伝えるスポットを1地点ずつ写真や動画を交えて紹介
このwebコンテンツを通して、皆さまの身近で発生する自然災害を自分事として考え、いざという時には自分自身や大切な人を守るための一助となりますことを願っております。
クラウドファンディング事業における取り組みは完了となりますが、「災とSeeing」としての取り組みは今後も継続し、専用ホームページの改善・充実を進めて参ります。どうぞ引き続き、温かく見守って頂けましたら幸いです。
2021年10月1日 「災(さい)とSeeing」チーム一同
※クラウドファンディング『災害を今に伝える場所を巡るオンラインツアー「災(さい)とSeeing」』事業についてはこちらをご覧ください
※許可なくコンテンツまたはその一部を転載することを禁じます。
Reproducing all or any part of the contents is prohibited without the author’s permission.
【お問合せ先】052-789-3468 「災(さい)とSeeing」担当
ゲスト:地盤防災学者 利藤 房男 さん
(名古屋大学減災連携研究センター地域社会防災計画(応用地質)寄附研究部門特任教授)
日時:2021年 9月10日(金)18:00~19:30
企画・ファシリテータ: 隈本 邦彦 さん
(江戸川大学教授/名古屋大学減災連携研究センター客員教授)

土砂災害といえば、今年7月初めに起きた熱海の“土石流”災害が記憶に新しいところです。ところが、今回のカフェのゲスト、地盤防災がご専門の利藤さんによると、「これは土石流ではない」のだそうです。
利藤さんは、あの災害の発生直後に行われた学会の現地調査にも参加されたそうで、これは土石流ではなく泥流と呼ぶ方が妥当であるという認識を持ったとのことです。
土石流というのは読んで字のごとく、「土」と「岩」が「水」とともに急速に斜面を流れ下る現象です。ところが、災害現場にはほとんど岩石がころがっていませんでした。利藤さんが撮影した現場写真を何枚か見せていただきましたが、ほとんど「土」と「水」だけが押し寄せて、家や植生を流していたということです。
ですから今回の出来事は、「熱海の土石流災害」ではなく「熱海の泥流災害」と呼ぶべきものだったということなんですね。

今回の災害は、少し上流のところの谷が土砂で埋められていて、その「盛土が崩れたことによるものが原因となった」と報道されています。利藤さんたちの調査でも、谷に積み上げられていた土の量と、今回流れ下った土の量がほぼ同じくらいということでしたので、それが原因であることはほぼ間違いないようです。
しかし利藤さんは、「あれを盛土と呼んで欲しくない」とおっしゃっています。確かに谷を埋めて土が盛ってあったわけですから、一般的には盛土で間違いないのですが、あれを、住宅を建てるために造成される「宅地盛土」とか、鉄道を通すための「鉄道盛土」などと一緒にしないでほしいというということでした。まったく作り方や安全基準が違うからです。
例えば、宅地盛土は、過去の災害経験をもとに、締固めや、中にしみこむ水の処理の方法などがきっちりと決められていて、多少の大雨なんかでは崩れないように作られています。鉄道の盛土は、さらに厳しい基準で締固められているのだそうです。
一方、今回の泥流の原因になった、建設残土などを埋めた盛土には、そのような対策がしっかり行われていなかったようです。だから、専門家からみると、あれは盛土と呼ばずに「投棄残土」と呼んでほしいということなのだそうです。
このような建設残土や廃棄物などの盛土については、各地方自治体の条例で規制されているのが現状で、全国にはそのような条例を持っていない自治体がある上に、自治体ごとに監視の在り方なども相当な違いがあります。そこで、いま、熱海の事例を教訓に、法律によって、全国一律の基準でもっと厳しい規制をすべきという議論が高まっているということです。

カフェでは「地震のときの盛土災害」の話題も出ました。
宅地盛土は、通常の大雨くらいではそう簡単に崩れないように作られているのですが、過去の大地震の時には、崩れる被害が何度も出ています。
特に大きく注目されたのは1978年の宮城県沖地震の時。被害がひどかったのは宅地盛土を規制している「宅地造成等規制法」が制定された1961年より前に造成された盛土でした。その後法律は厳しくなりましたが、2011年の東日本大震災の時には、やっぱり同じ場所に被害が出たということです。
そこでいま国土交通省では、全国の5万1000か所の大規模造成盛土を抽出して、その安全性を把握する調査を行っています。これを急がないといけませんね。
1923年の関東大震災では、大規模な崩壊地が2000か所以上発生しています。長い目でみると、そこから現在に至るまで、100年近くをかけて次第に植生などが回復している過程なのだそうです。こうした巨大地震による崩壊地発生に比べたら、その後の伊勢湾台風による崩壊地発生箇所数は10分の1以下。つまり専門家からすれば、大雨も怖いが、やっぱり大地震が怖いということだそうです。

今回も240人の方に参加していただきました。参加者の皆さんからは「自分の住んでいる盛り土が崩れる危険性はどうやったらわかるのでしょうか」という質問が出て、利藤さんからは「まずは現場をよく見て、盛土と切土の境界付近の地面にクラックが入っていないか、擁壁が壊れ始めていないか、そして水の流れが大切なので、雨の時に排水溝が詰まっていたりしないか、そんなポイントをチェックをしてみるといい」というお答えでした。
また、同じ宅地造成地でしたら、切土のところのほうが盛土のところよりも安全なのですが、自分の家のある場所が切土なのか盛土なのかは、昔の地図と今の地図を比較できる国土地理院のウェブサイトや、埼玉大学の先生が作っている「今昔マップ」というのがインターネット上にありますので、それを使って調べたらよいということでした。
利藤さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。


講師:林 秀弥 さん
(名古屋大学 アジア共創教育研究機構 教授/減災連携研究センター協力教員)
内容:防災の法と政策-地区防災計画制度を中心に-
日時:2021年9月6日(月)18:00〜19:30