以下の論文がJournal of South American Earth Sciences誌にオンライン出版されました。
Lizarazo, S. C., Sagiya, T., and Mora-Páez, H.,
Viscoelastic earthquake cycle model for the Caribbean subduction zone in northwestern Colombia: Implications of coastal subsidence for seismic/tsunami hazards, Journal of South American Earth Sciences, 141, https://doi.org/10.1016/j.jsames.2024.104931 →Thesis
本論文は、GPS観測および粘弾性を考慮した地震サイクルモデリングにより、コロンビアのカリブ海沿岸部における大地震発生の可能性を指摘したものです。この地域では歴史上大地震や津波の発生が知られていませんが、GPSにより地殻変動により地殻の短縮ひずみの蓄積や沿岸部の沈降が観測され、水平短縮から地震の可能性を指摘していましたが、沿岸部の沈降を説明することができませんでした。本研究ではマントルの粘弾性緩和を考慮したモデルを構築し、カルタヘナ市付近においてM8クラスの巨大地震が600年程度の繰り返し間隔で発生するというモデルで水平、上下の地殻変動を説明できることを明らかにしました。当地域は歴史記録が500年程度しかなく、津波を伴う大地震の可能性が見過ごされている可能性があり、地質学的調査などを進めることが必要と考えられます。