No.10:世界初の建物まるごと実験装置「ダブル免震」

減災館は、いわば『親亀・子亀』のダブル免震建物になっています。その子亀に当たるのが、屋上二階の実験室になります。

この実験室の免震装置は、重さを支えている「直動転がり支承」、揺れる建物を元に戻すための「天然ゴム系積層ゴム」、実際に建物を揺らすための「アクチュエータ」の3つから構成されています。

建物が、一往復の揺れに要する時間を周期と言いますが、この建物では、「親亀(減災館全体)」と「子亀」がほぼ同じ周期になるように設計されています。これにより、例えば、子亀(実験室)を揺らすと、それに合わせて親亀(減災館全体)が揺れます。「共振」という現象を利用した実験装置と言えます。反対に、地震などで親亀(減災館全体)が揺れるとそれに合わせて子亀(実験室)が揺れます。実験室が揺れのエネルギーを吸収することによって、減災館全体の揺れを抑えることが可能になります。これは、TMDと呼ばれる制振装置になります。

実験室を使って、免震装置の耐久性実験や家具転倒実験、体験者の避難行動実験など、様々な実験が可能です。さらに減災館全体を使った、地震時行動訓練や免震装置等のヘルスモニタリングにも使える可能性があります。

以上のように、揺れ体感や様々な振動実験が可能な、世界初の建物まるごと実験装置が減災館の特徴です。

屋上二階の実験室全景

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