今日は梅雨の合間ということで午前中はどんよりというお天気でしたが、午後からは晴れておりました。
いよいよ明日がマットスラブ(耐圧盤)の打設ということで、序盤で一番の見せ場となるところです。今日の仕事内容はそのために配筋の最終確認(径、ピッチ、種類)を行なっておりました。この確認は職人さんとゼネコン側の二重チェックを行うことにしているそうです。
そもそもマットスラブは建物の荷重を地盤に伝え支える事が役割です。減災館は直接基礎と地盤改良を行い、免震構造を採用している点などを考慮して1mの厚さのマットスラブだそうです。(面外方向に変形すると免震として機能を十分に発揮できないため面内剛性を上げ変形に耐える)通常の建物では地耐力を計算しマットスラブの厚さを決定しているそうです。
さて、マットスラブの配筋ですが上端筋と下端筋の横から見ると2本しかなく間はスカスカになっているように見えます。また免震装置(積層ゴム、CLB、オイルダンパー)となる部分のそばは設計図書に従い100mmピッチでその他の部分は200mmピッチだそうです。
さらに免震装置は太いアンカーによってベースプレートが設置されています。地震時は免震装置と基礎部分をつなぐこの部分に大きな力(せん断力、引き抜き力)が発生するため、そうした力に耐えられる太さにする必要があるためです。
マットスラブの面積はだいたい800m^2ほどで、深さは1mです。そのため明日は800m^3ほどのコンクリートが必要となります。(コンクリート2.2t/m^3であることを考慮すると1800tのコンクリート)
ミキサー車(アジテータトラック)は一度に大体5m^3を運ぶことができますが、通常は満杯にすることはあまりないそうです。そのため4m^3だとして200台近いトラックが必要だと考えられます。コンクリートの打設は一つの区画に関しては一度に打設しないとコンクリートの一体性が失われるため(コールドジョイント、レイタンスの影響など)、明日の7時から20時まで一気に行う予定だそうです。また、現場では南側と北側に2台ずつつけて計4台で打設を行うそうです。
今回コンクリートをお願いする業者さんは名東区にあるそうで片道30分ほどかかります。また、25台しかないため約8往復の計算です。業者さんもゼネコンさんも明日は大変そうですね。
【丹羽】
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工事現場を上から見ると積層ゴムが北側によっている様子がよく分かります。これは重心と剛心を一致させるためです。
○なぜ重心と剛心を一致させるか?
地震時は重心に対して地震力が働きますが、その際水平力に対抗する力は剛心を中心として働きます。そのため両者のズレが発生するとモーメントが発生して、ねじれ振動を引き起こすことになります。
重心は基礎の形状によって決まる位置なので、それに合わせるように剛心の位置を積層ゴムを用いて調整します。
そのため減災館では三角形の基礎形状に対して、積層ゴム(剛性)を北側に寄せることで北側にある重心の位置に合わせているのです。
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