第115回防災アカデミーを実施しました

講師:泊 次郎さん(元朝日新聞編集委員)
内容:地震予知研究の歴史を通して考える地震研究者とメディアの責任
日時:2015年11月5日(木) 18:00〜19:30
場所:減災館1階減災ホール
※予約不要・入場無料   

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 減災連携研究センターでは11月5日(木)、減災館において「第115回名古屋大学防災アカデミー」を開催し、64名の参加がありました。今回は元朝日新聞編集委員の泊次郎氏が「地震予知研究の歴史を通して考える地震研究者とメディアの責任」というタイトルで講演しました。講演では、明治時代以降の日本における地震研究の歴史を振り返りながら、いくつかの大地震の発生を契機として、地震研究体制における重要な変化が生じてきた経緯が説明されました。また、地震予知研究が開始されてから、前兆現象、統計的手法、物理モデルといった3つの方法論をずっと繰り返した結果あまり進歩しておらず、1960年代以降に始められた地震予知研究も、その中身は以前から提唱されていた内容が殆どで看板の掛け替えに過ぎない、といった重要な批判がありました。こうした状況を生み出した要因として、地震予知研究が国家プロジェクトとして推進されて研究者の自律性が失われ、純粋な科学ではなくなったのではないか、という本質的な指摘もありました。一方、そうした研究を無批判に報道してきたメディアの責任も見逃すことはできず、メディアが健全な批判精神を持つことが重要であるという指摘で講演は締めくくられました。


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→ポスター(PDF)

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