第54回げんさいカフェを開催しました

「安い!早い!納得!耐震補強の方法」

ゲスト:川端 寛文さん
(名古屋大学災害対策室スーパーバイザー)

日時:2015年11月4日(水)18:00〜19:30
場所:名古屋大学減災館 減災ギャラリー
企画・ファシリテータ: 隈本 邦彦(名古屋大学減災連携研究センター客員教授)

げんさいカフェは、「南海トラフ広域地震防災研究プロジェクト」との共催で実施しています。

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今回のゲストは、長年、愛知県職員として県内外の住宅耐震対策を進めてこられた川端さんです。現在は名古屋大学災害対策室で スーパーバイザーとしてご活躍されています。
川端さんが耐震補強の世界に足を踏み入れたきっかけは1995年1月の阪神・淡路大震災。その直後に県の住宅耐震対策を進める 部署に配属になり、まだ行政の補助金制度もない中で、どのように住宅の耐震化を進めていくか頭を悩ませたということでした。

やはり普及の妨げになっているのはなんといっても工事費の負担。それを打ち破るには補助金を増やすか、耐震改修費用を安くするかしかありません。でも国や自治体の財政が厳しい中で補助金を増やすのはなかなか難しい、それなら、ということで川端さんたちは「安くて合理的で効果の高い」耐震工法の開発と普及に力を入れることにしたそうです。

活動の中心になったのは、愛知県内の3つの国立大学の研究者と、行政、民間で作った通称、愛知減災協=愛知建築地震災害軽減システム研究協議会。
この協議会が、簡単で工事費が安上がりですむ新しい耐震工法の開発や評価に大きな役割を果たしました。
その結果、例えば天井や床をはがさずに耐震性を増す工法や、古い民家の土壁をそのままにして補強する工法などが続々登場しているそうです。川端さんが模型を使って分かりやすく説明してくださいました。平成26年度に愛知県内で行われた耐震補強工事の9割近くが、このような愛知減災協の工法を採用しているということで、この地域の住宅耐震化を推進する原動力となっているようです。

いまや耐震工法の伝道師として全国各地で普及活動を進めている県内各地をまわり、さらに全国各地からも講演を頼まれているという川端さん。「結局、耐震補強の普及のカギは、 その地域に合理的な耐震設計方法と安価の耐震改修工法を身につけた建築の専門家を増やすこと」だとおっしゃっています。身近で切実な話題ということもあって、会場の皆さんからの質問もたくさん出て、今回も対話が盛り上がりました。川端さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。

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→ポスター(PDF)
※過去のげんさいカフェの様子はこちら

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