研究領域

山崎雅人の研究紹介

(1)巨大災害による経済被害の定量的評価手法の開発

地域の経済活動が大きくなるにつれ、災害による経済被害も大きくなる。働き、所得を得て、消費をするという日々の経済活動は、ほぼ日常生活そのものである。一方で、分業化が進むにつれサプライチェーンは広域化・複雑化しており、災害に対する脆弱性が増している。災害から経済を守る事は、日常生活そのものを守ることである。しかし平時の生活の利便さをなるべく損なうことなく、経済被害を抑えることは決して簡単ではない。そこで、いかに賢く経済被害を抑えるか、事前対策も含め検討している。
経済被害を賢く抑えるため、経済シミュレーションの研究を進めている。政府も巨大地震の経済被害を定量評価しているが、簡便法で評価している。経済被害の定量評価は一般に困難であることや、評価結果の活用方法が見出されていないことが課題として挙げられる。特にいわゆる経済被害の「間接被害」は日常生活と密接に関連しているが、定量的な評価手法が難しく、定量評価しない自治体も多いのが現状である。
研究では、地域の産業特性や産業間の関係、産業と家計の関係等を考慮しながら、空間的かつ動的に経済をシミュレーションできるモデル(応用一般均衡モデル)の開発及び大規模災害への適用について研究している。

(2)合理的な防災・減災策の評価手法の研究

公共事業の実施に際して、費用便益分析が実施される。費用便益分析を実施することで、ある公共事業が社会的な観点から望ましい(社会的な便益が費用を上回る)か否かが評価でき、社会的に望ましい事業を選択し実施できる。しかし減災・防災事業については費用便益分析が決して容易ではない。対象とする災害がいつどの規模で発生するのか不確実性が高く、さらにある公共事業がその災害に対してどのように役立つのかも不確実であるためである。さらには人々の安心感や命と事業費は同じ尺度で測れるのか、まだ生まれていない次世代の負担や便益をどのように考えるのか・・・。こうした難問を経済学から心理学、工学の連携のもとに解決し、社会に受け入れられる費用便益分析の手法を研究している。

http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100006514_ja.html
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