研究領域

西川智の研究紹介

(1)企業のBC(事業継続)取組促進手法

キーワード:BCP・企業防災・サプライチェーン
2016年熊本地震では多数の企業が被災し、いくつかの企業は、東日本大震災での経験を踏まえたBCPを発動し、取引先や親会社の全面的な協力を得て早期の業務再開に成功した。他方、災害に初めて直面し、厳しい局面に立たされた企業も多い。本研究では、企業がBC(事業継続)に取り組むことの促進方策、BCのための意思決定に資する情報提供、さらには、個社単独のBCPでは足らざることへの気づきの促進方策、サプライチェーンや近隣関係を考慮した実効性のある企業のBCの取組方策について検討を進めている。

(2)多様な主体による予防防災活動の展開方策

キーワード:災害被害を軽減する国民運動・意識啓発・災害教訓
 本研究では、様々な立場の個人や組織に対して、事前の防災行動を促すためには、どのようなきっかけを作り、どのような防災教材を用いることが有効かの試行を行う。特に、様々な個々人の災害体験談を収録した「一日前プロジェクト」などの教材の有効性や、予防的な行動を促す各種インセンティブの効果について検証する。類似の立場にある者の行動に影響されるpeer効果や、近年注目されているナッジ理論の防災意識啓発への応用を検討する。

(3)日本の防災手法の海外展開方策

キーワード:国際防災協力・仙台防災枠組(SFDRR)・SDGs・持続可能な開発
 2015年3月第3回国連防災世界会議において2015-2030年の国連加盟国の防災指針となる仙台防災枠組(SFDRR)が決定された。この仙台防災枠組はその前の2005年兵庫行動枠組(HFA)、1994年横浜防災戦略と同様、日本の防災の考え方を色濃く反映したものになっている。世界を震撼させた2004年12月のインド洋津波災害以来、日本の防災に対する世界各国の関心は高く、特に災害に悩む多くの途上国にとって日本での被害軽減の過程は、参考とされている。日本での様々な防災手法のうち、他国に容易に移転できるもの、そうでないものがあるが、具体的な個々の案件に応じての適用例を整理するとともに、2015年Nepal地震への技術協力などの研究を進めている。

個人HP:http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100010167_ja.html
げんさいカフェの講演(第126回):http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/?p=20897
げんさいカフェの講演(第105回):http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/?p=14429
げんさいカフェの講演(第85回):http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/?p=9272
防災アカデミーの講演(第158回):http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/?p=14284
研究領域一覧へ