第99回防災アカデミーを実施しました

講師:松澤 暢さん(東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター教授(センター長))
 「東北地方太平洋沖地震を何故予見できなかったのか?」
日時:2014年3月24日(月)18:00〜19:30
場所:減災館1階減災ホール 


 減災連携研究センターは3月24日(月)の18:00-19:30、減災館減災ホールにおいて「第99回防災アカデミー」を開催し、110名の方々の参加がありました。

 講演はプレート境界型地震についての基本的な説明から始まり、有力な学説である「アスペリティ・モデル」について詳しい説明がなされました。一方で、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震のような巨大地震を予測することは未だ困難であり、地震研究の更なる発展が必要であることも主張されました。従来、古い海洋プレートが沈み込む場合、境界面では大陸プレートとの固着が弱く、マグニチュード9の地震は発生しないと考えられてきました。しかし東北地方太平洋沖地震の発生はその考えと合いません。講演では数百年に1度発生する巨大地震のメカニズムは、100年程度の地震の観測データでは解明できないこと、今後もデータを収集しモデルの信頼性を高める必要があることが述べられました。最後に、東北地方太平洋沖地震の余震はまだ数年続く可能性があり注意する必要があることや、地震が発生した際に心がけてほしいことが説明されました。会場との質疑応答や議論では、市民が地震に対する科学的知識を持つだけでは命は守れず、沿岸部で大きな揺れが起これば直ちに避難する習慣を身に付けることが重要であるとの意見が出ました。

過去のアカデミーはこちら
→ポスター(PDF)

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