研究領域

中井健太郎の研究紹介

(1)地層不整形性に起因して発生する表面波が表層地盤被害に与える影響

キーワード:不整形地盤・表面波・地震応答解析
地表震度や液状化などのハザードマップの多くは,経験的なN値とせん断波速度Vsの関係式に基づく鉛直一次元弾性計算から求めていることがほとんどである.このため,これらの検討では,地中の不整形な地層・基盤構造に起因する表面波生成などの多次元的な効果が考慮されておらず,地震被害を過小評価している危険性がある.そこで,地層の不整形性を考慮した二次元・三次元地震応答解析を実施し,表面波の生成や,表面波と実体波の複雑な干渉が,表層地盤被害へ及ぼす影響を検討している.

(2)河川堤防の耐震性評価と耐震対策効果の検証

キーワード:軟弱地盤・河川堤防・耐震性評価
 南海トラフ巨大地震が危惧される太平洋沖の東京湾・伊勢湾・大阪湾には広大な海抜ゼロメートル地帯が拡がっており,これら地域は同時に液状化の危険性も高い.これら地域で河川堤防が被災し,ひとたび浸水してしまうと,排水に莫大な時間を要し,復旧・復興に多大な時間を要する恐れがある.そこで,現地調査結果をもとにこれら地域を弾塑性モデル化し,軟弱地盤上に建設された河川堤防の耐震性評価を行うとともに,各種耐震補強工法の耐震効果を数値解析的に検討している.

(3)盛土造成宅地の地震被害発生メカニズムの解明

キーワード:盛土造成宅地、模型実験、共振現象
 国土の多くを山地が占める日本では,切土土砂を谷部や斜面に転用して盛土する造成手法を用いて平坦地を造り,道路・鉄道・宅地が建設されてきた.その一方,近年の大地震時には,これら造成斜面で数多くの地震被害が発生している.しかし,現行の設計法や対策工は,経験に頼る部分が大きく,被害を防ぐためには十分ではないと言うことができる.そこで,地震時における盛土造成斜面の変状メカニズム解明と適切な耐震対策の提案を目指して,1G場振動台模型実験とその数値シミュレーションを実施している.

個人HP:http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100002123_ja.html
げんさいカフェの講演(第26回):http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/?p=1369
防災アカデミーの講演:

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