きょうの減災館 最終回(2014年3月12日)

お礼

この1年間、「減災館ができるまで」にお付き合い頂きありがとうございました。昨年3月4日にスタートしたこのページも今回で最終回になります。減災連携研究センターで地震工学を学ぶ建築系の教職員・学生で続けてきた連載記事も、今回で92回になります。清水建設の現場の方々に多大な迷惑をかけつつ、建物ができる過程をつぶさに見ることができたことは、建築を学ぶ私たちにとってはまたとない勉強の機会になりました。改めて減災館建設に関わってくださった学内外の皆様に熱く御礼申し上げます。

さて、減災館は、2月末に無事竣工し、3月1日から1週間をかけて、入居者が引越しをしました。同時に、展示物やセンサーなどの設置、什器の搬入設置などを突貫で行い、無事、本日、記念式典を迎えることができました。式典には、学内外から多くの来賓にご臨席頂きました。また、多数のメディアの方々も駆けつけてくださいました。

この減災館には、本学の災害対策を担う災害対策室と、私ども減災連携研究センターが入居いたします。災害対策室は、2002年10月に発足し、十数年に渡って本学並びに地域の災害対応力の向上に寄与をして参りました。一方、減災連携研究センターは、南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備えるため、2010年12月に発足いたしました。その後、東日本大震災を経て、2012年1月に6名の教員が既存の研究科から移動し、さらに同年4月に産業界の協力を得て3つの寄附研究部門を設置いたしました。来月には、4名の特任教員を迎える予定をしており、総勢20名ほどの教員で減災研究を推進する体制が整います。センターには、十数名の受託研究員が自治体や産業界から派遣されてきており、他にはない産官学連携研究の拠点ができつつあります。

そして、本日、私どもの活動の拠点となる減災館が完成いたしました。この建物は、これまでの減災研究をさらに推進する活動拠点としての役割に加え、東山キャンパス初の免震建物として、災害時の対応拠点にもなります。また、平時には、教育啓発の場として1〜2階を広く社会に開放することで、備えの拠点の役割も果たす予定です。建物には、様々な振動装置や観測装置を備えており建物そのものが耐震実験研究の実践の場にもなっています。この建物が、地域の総力を結集する場となり、災害から我が国を守る要の一つとして、減災社会の実現に寄与して行ければと考えております。

「減災館ができるまで」は、本日で終了となりますが、今後は、衣替えをして、「減災館のヒミツ」という減災館の紹介記事を連載していきたいと考えております。これからも、お付き合い頂ければと思います。1年間、ごらん頂き本当にありがとうございました。
【平成26年3月12日 名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫 】

This entry was posted in お知らせ, 減災館ができるまで. Bookmark the permalink. Both comments and trackbacks are currently closed.