研究領域

護雅史の研究紹介

(1)熊本地震における庁舎建物の被災シミュレーション

2016年熊本地震では、益城町役場建物内の震度計で震度7の揺れが観測された。本庁舎は、旧耐震設計にて設計された建物であったが、耐震補強が完了しており、幸いにも大破を免れた。しかし、被災調査の結果、建物基礎の一部に沈下が認められるとともに、隅杭では、損傷も発見されている。さらに、4月16日の地震では、偶然にも庁舎敷地内の駐車場でも地震波が観測され、震度計と異なる特性を示している。このような杭基礎中低層建物の大地震時挙動については、不明な点が多く、周辺地盤―杭基礎構造を含む真の建物耐震性は明らかになっていない。本研究では、この解明にむけ、2016年熊本地震での貴重なデータを駆使した検討を進めている。

(2)建物の地下室や隣接建物が建物応答に与える影響


本研究では、地下室等の埋込み基礎に対して建物を高さ方向に回転させる方向に作用する回転入力動に着目し、埋込みの深さによって異なる回転入力動が上部建物の大地震時の振動挙動に与える影響について検討している。また、都市域では、複数の建物が密集しており、地震時にはそれらのお互いの影響により、単独で建つ建物と異なる振動挙動の可能性が十分に考えられる。
そこで、このような隣接建物の存在が建物応答に与える影響について、建物規模や地下室等の埋込み深さの違い、基礎種別、地盤物性値等をパラメータとして分析を行った。

(3)地域防災力支援研究プロジェクト

愛知県内の人口10万人程度以下の市町の中から、地形・地質、自然災害履歴、災害危険度、産業構造、歴史的背景が異なり、かつ減災対策に対してやる気のある市町をモデル地区として毎年1カ所選定した、ワークショップを中心とした活動を行っている。最新の地震防災科学技術研究の成果を最大限に活用するとともに、各地域の歴史的・地理的資料や人材等の災害対応力を含めた、防災・減災に関する情報収集を行う。次に、これらを基に、ワークショップを自治体職員、住民等の連携で開催し、地域の課題、ニーズの洗出しや、減災まちづくり・震災復興準備について検討することで、適切な防災・減災対策への道筋をつける。また、地域報告会により、これら5市町を突破口とした、同様な地域特性を有する他の市町村への本成果の普及・展開を目指す。

http://www.sharaku.nuac.nagoya-u.ac.jp/~m.mori/
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