研究領域

坪木和久の研究紹介

(1)台風の航空機観測

キーワード:台風、航空機観測、強度予測
 台風は、豪雨と並び我が国における風水害の最大要因である。最近の研究では、地球温暖化に伴い、台風の最大強度や非常に強い勢力の台風の数の増大することが示されている。しかしながら、中心気圧などの台風の強度は、現在、気象衛星の雲画像から推定されており誤差が大きい。また、台風の強度予測にも問題がある。そこで航空機からドロップゾンデという測定器を投下して、台風の中心気圧などの直接観測を行い、台風強度の高精度データを取得する。さらにそのデータを数値予報モデルに同化することで、台風強度予測の改善を目指す研究を行っている。

図1:2017年10月21日、スーパー台風Lanの眼への貫入観測で撮影された眼の壁雲。

(2)豪雨の予測に関する関する研究

キーワード:豪雨、線状降水帯、メソ対流システム
 2018年7月に発生した西日本豪雨をはじめとして、毎年のように我が国では豪雨が発生し甚大な災害をもたらしている。多くの豪雨は線状降水帯などのメソ対流システムによってもたらされる。これらは不安定な大気場での急激な積乱雲群の発達であるので、その予測は困難である。名古屋大学にはKaバンドとXバンド偏波レーダがあり、メソ対流システムの観測を行っている。また、航空機を用いた海上の水蒸気流の観測を行うことで、豪雨の構造と発生予測を目指した研究を行っている。

図2:豪雨をもたらす海上の水蒸気流を、航空機から投下するドロップゾンデにより観測し、そのデータを数値予報モデルに同化して豪雨を予測する。

(3)雲解像モデルの開発と激甚気象のシミュレーション

キーワード:雲解像モデル、シミュレーション、激甚気象
 観測と共に数値シミュレーションは、台風や豪雨システムの研究や予測に不可欠の手法である。これまで雲・降水システムの高精度シミュレーションを目的として、雲一つ一つを解像する数値予報モデルCReSS(Cloud Resolving Storm Simulator)を開発してきている。CReSSは、台風や豪雨システムのシミュレーション研究に用いられてきたほかに、毎日の気象予測を水平解像度2kmと5kmで行っている。この数値モデルは国内外の研究者に公開され、さまざまな激甚気象の研究に用いられている。今後さらにモデルの改良・開発を行うと共に、CReSSを用いた激甚気象の研究を行う。

図3:雲解像モデルCReSSによりシミュレーションされた2010年の愛知・岐阜の豪雨システム。

個人HP:http://www.rain.hyarc.nagoya-u.ac.jp/~tsuboki/
研究領域一覧へ