第21回げんさいカフェを開催しました

「南海トラフ巨大地震の揺れは?」

地震工学者 宮腰 淳一さん
名古屋大学減災連携研究センターライフライン地盤防災寄附研究部門准教授

今回は、去年8月末に内閣府が発表したようなマグニチュード9.0の南海トラフ巨大地震が起きたら、この地方ではどんな揺れになるのかをテーマに、耐震工学の専門家、宮腰さんとの対話で考えました。

そもそも地震というものは、震源からの距離が同じならば、マグニチュード(地震の規模)が大きければ大きいほど強い揺れに襲われると我々は考えます。でも宮腰さんによると、実はそうでもないのだそうです。確かにマグニチュードが比較的小さい(マグニチュード6位まで)うちは、だいたいマグニチュードが大きければ大きいほど揺れは強くなりますが、マグニチュード8を超えるような巨大地震になると、必ずしもそうはならないこともあるそうです。実際に過去に起きた地震の観測データから計算した値では、マグニチュード9.0の地震よりマグニチュード8.1の地震のほうが、建物に被害を与える(周期の短い)揺れが強かったという例があるそうです。また東日本大震災の時に観測された仙台市の揺れは、マグニチュードがずっと小さくて震源が少し近かった1978年の宮城県沖地震の時の揺れと強さはほぼ同じだったということです。

ただマグニチュードが大きい地震では、震源断層が長いため揺れの継続時間が長くなる傾向があるのと、震源が海底であれば津波が大きくなることは間違いないようです。決して侮ってはいけません。

今回も、宮腰さんと会場の皆さんとの間で気象庁のマグニチュードの発表の仕方や、揺れの予測の計算方法などについて活発な質疑応答があり、盛り上がりました。やはりこの地方では、巨大地震に向けての備えをしっかりしなければと改めて思えるカフェでした。宮腰さん、ありがとうございました。

日時:2013年2月12日(火)18:00〜19:30
名古屋大学カフェフロンテ(環境総合館斜め前、本屋フロンテの2階。ダイニングフォレスト向かい)

→ポスター(PDF)
※過去のげんさいカフェの様子はこちら

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