第112回防災アカデミーを実施しました

講師:中谷内 一也さん(同志社大学心理学部教授)
内容:人々のリスク認知と防災行動
日時:2015年7月15日(水) 18:00〜19:30
場所:減災館1階減災ホール

 減災連携研究センターでは7月15日(水)、減災館において「第112回名古屋大学防災アカデミー」を開催し、74名の参加がありました。今回は同志社大学心理学部の中谷内一也教授が「人々のリスク認知と防災行動」というタイトルで講演しました。講演では、我々が自然災害のようなリスクを認知し、防災行動を取るような意志決定を行う際にどのような傾向があり、それがどのような心理学的要因に影響されているかといった問題について、具体的な例を示しながら大変分かり易く解説がなされました。人のリスクの受け止め方は利得と損失に関する非対称な価値判断に影響されており、リスクの確率判断にも系統的なずれがあること、人々は「恐ろしさ」や「未知性」に対してリスクをより強く感じること、我々には経験的、感情的なシステム1と分析的、論理的なシステム2という異なる思考システムが備わっており、後者は行動への影響が小さく、防災行動誘発のためには前者に働きかけるのが重要なことなどが指摘されました。人のリスクの受け止め方の心理を理解することが防災を進める上で大変重要であることを再認識する良い機会となりました。
 

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→ポスター(PDF)

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