げんさいカフェ(第8回)

「東日本大震災の謎を海岸工学から考える」

平成24年1月25日(水)午後6時〜 水谷法美先生

今回のげんさいカフェは、津波防災の専門家・水谷さんがゲスト。東日本大震災の巨大津波で、各地の津波防波堤がなぜ次々と破壊されたのかとテーマにお話をしていただきました。
津波防波堤は、強い波が正面からぶつかってきても耐えられるように設計されていますが、津波が防波堤を乗り越えて越流する影響については十分考慮されていませんでした。実験の映像を映しながらの説明では、津波の高さが防波堤の上端を越えてしまうと、乗り越えた流れが防波堤の裏側に”渦”を作り倒す力を増してしまうことや、水の流れが防波堤の基礎の部分を削ってしまうことで(洗掘)防波堤が壊れてしまうメカニズムが説明されました。
では、巨大津波にも耐えられる防波堤はどのようにつくればいいのでしょうか?
基礎のブロック石や被覆石を大きくすればいいかというと、計算上、ある程度までは大きくすれば効果がありますが ある限度を越えるとは大きくしてもそれほど効果はないそうです。会場の皆さんからもさまざまなアイデアが出され、廃船を沈めて防波堤代わりにしたらどうか、被災地のがれきを使って防波堤を強化してはどうか、などの意見も出ていました。
次回は2月21日(火)の開催です。地震学、地殻変動学が専門の鷺谷威さんがゲストで、東日本大震災の前後の地殻変動についてのお話です。ぜひご来場ください。

This entry was posted in げんさいカフェ. Bookmark the permalink. Both comments and trackbacks are currently closed.