第162回防災アカデミー(オンライン)を実施しました

講師:齊藤 誠 さん
  (名古屋大学大学院経済学研究科教授)
内容:危機事象に関する「想定内」と「想定外」の曖昧な境界
日時:2021年1月13日(水)18:00〜19:30


減災連携研究センターは1月13日(水)、オンラインで、第162回防災アカデミーを開催しました。今回は、名古屋大学大学院経済学研究科教授の齊藤誠氏に『危機事象に関する「想定内」と「想定外」の曖昧な境界』と題した講演をお願いし、167名の参加がありました。
【講演概要】
本講演では、2011年3月11日の大津波到来によって引き起こされた福島第一原発事故を分析対象として、大津波到来も、事故状況も、あらかじめ想定されていた事態であったにもかかわらず、事故当時は、事実上、「想定外」の事象として取り扱われてしまった背景を考察していく。特に、原発事故については、徴候ベース危機対応マニュアルによってあらかじめ想定され、対応手順も明確に定められていたにもかかわらず、当該マニュアルの手順とまったく正反対の対応がとられた。こうした錯誤をもたらした要因は、徴候ベース危機対応マニュアルが対象としたような、有効な対応が十分可能な危機状況と、シビアアクシデント危機対応マニュアルが対象としたような、有効な対応が限定的な危機状況が混同され、前者の状況が後者の状況とともに「想定外」とされてしまったところにある。







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