近藤ひろ子先生(防災教育スーパーバイザー)のブラジル紀行⑧

3月18日(月)

ミナスジェライス州政府専用機で、ベロオリゾンチ市から400キロ離れたモンチスクラーロ市に入りました。
ミナスジェライス州は、ブラジル26州の中で、唯一体感地震が起きているところです。
中でも、人口30万人のモンチスクラーロ市は、地震多発地帯です。

昨年、地表にかなり近いところでマグニチュード3,9に地震が起きたときには、貧困層がいっせいに外へ飛び出し、コミュニティ全体がパニックになったそうです。(簡易なセメントと脆弱なレンガで作られている貧困層の家では、外へ飛び出したくなるのもわかる気がします。)
その後も微弱ながらも地震が繰り返しており、人々の心にダメージを与えているとのことです。

それらのことも踏まえて、ミナスジェライス州立大学のモンチスクラーロ大学で、学長始め大学関係者、ミナスジェライス州軍務局長らと、情報交換をしました。

<学長より>

  • ミナスジェライス州の30パーセントの学生が、この大学で学んでいる。
  • 現在のところ、地震に関する物理的な情報が少ない。
  • ブラジリア連邦大学、サンパウロ州立大学などと連携して、地震研究センターを作るべく、歩み出している。
  • 地震研究では日本有数と言われている名古屋大学にも、アカデミックなレベルで協力してほしい。

<ミナスジェライス州軍務局長より>

  • 州内の主要箇所に、精度の高い地震計を購入し設置した。
  • 州市民防衛局長次官はじめ3名が、昨年7月に愛知県で研修した。日本で、産学官民の防災の体勢が整っていることを知った。今後も、防災の情報や知見を、是非日本からもらいたい。
  • Civil Defense(市民防衛)の中で、特に防災活動を強化していきたい。
  • 「いざというときにコミュニティがいかに対処すべきか」を、日本から学び、社会の様々な集団に紹介していきたい。
  • 学校や病院などの地震対策、および実際に地震が起きたときの対応についてすぐに取り組んで行かなくてはいけない。

「防災の知見、情報の部分で、名古屋大学、愛知県の協力がほしい」との切実な思いを感じました…。

モンチスクラーロ市へ向かう州政府専用機の前で

モンチスクラーロ大学にて情報交換

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