減災センタースタッフブログ:減災センターでの研究「建物の構造設計と地震動」(日建設計 中溝さん)

受託研究員の中溝と申します。

私は昨年10月から減災センターで設計用入力地震動の研究をさせていただいております。一方で、普段は建物の構造設計を行っております。ここでは建物の構造設計について少しご紹介いたします。

みなさんは構造設計ってどんなお仕事かご存知でしょうか?
「建物の構造設計ってなんだかムズカシそう…。大地震や台風の時を想定して、ムズカシイ数式を使って柱や梁の太さが決まるのかな?」
という風にお考えのことが多いかもしれません。
確かに、建物の構造体である柱や梁の大きさを決めるために、構造設計者は日々ムズカシイ数式とにらめっこしています。しかし、実は、構造設計者は計算上の数字以上に”バランス感覚”を重視しています。
これはある程度は経験に基づくもので、計算上導かれる数字を、構造設計者の「これならいける!」とか、「数字上は大丈夫だけどこりゃあぶない!」といった”バランス感覚”から、よく吟味して建物の柱や梁の大きさを決定していきます。

この大きさを決めるのは柱や梁に働く”力”で、“力”を決めるのが”荷重”(重力、地震や風、積雪など)です。一般的には、建物は大きくてとても重いため、特に地震の際には柱や梁に大きな“力”がかかります。地震が大きければ“力”はさらに大きくなりますから、地震の大きさが一体どんな程度なのかを知ることは、建物の構造設計にとって、とても大事なことになります。

建物をより安全に、かつ、美しく経済的に設計することで、多くのみなさんのお役に立てればよいなと考え、これからも設計しつつ、地震について考えていきたいと思います。

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